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2026.09.17

ツール導入で終わるな。AI時代の組織設計

生成AIの企業導入が広がる一方、ツールを導入しても成果につながらない。現場では個人の工夫による細かな時間短縮にとどまり、組織全体の業務フローや収益構造は旧態依然のまま。かえってライセンス費用ばかりが膨らみ、成果の実感が得られない「AI投資の行き詰まり」を抱える企業は少なくない。
こうした課題に対し、AIを本質的な経営成果へ結びつけるための視座が共有された。2026年7月16日、起業家組織「EO Tokyo Central」が開催した勉強会において、株式会社AX 代表取締役CEO 石綿 文太 氏が登壇。26名体制の業務を1名体制へと再設計した同社実績を交え、組織体制や評価制度、データの資産化にまで踏み込む経営判断の要諦を語った。AIを単なるツール導入にとどめず、組織や業務の設計まで含めて活用する考え方が、企業の生産性を次の段階へと引き上げようとしている。(文=AI Base編集部)

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26名から1名体制へ再設計。現場任せを脱する「4つの視点」


(引用元:PR TIMES

約4時間にわたり開催された勉強会「経営者のためのAIハック会」において、石綿氏はAI導入をツール選びの問題としてではなく、経営者が主導すべき業務設計の課題として位置づけた。

その説得力を裏付けるのが、AX自身の広告事業における実績だ。同社では業務プロセスを分解して役割を見直し、AIエージェントの活用で、従来26名体制で担っていた業務を1名体制へと再設計した。ポイントとなったのは、AIに任せる業務と、人間が担うべき判断や対人対応、改善業務の領域を明確に切り分けた点にある。

(引用元:PR TIMES

石綿氏は、多くの現場でAI導入が停滞する要因として「現場任せの推進」「役割や評価の未設計」「コストと成果の乖離」を挙げた。さらに、AI化によって現場とのハレーションが生じ、活用が定着しなかった事例も紹介された。

こうした課題を踏まえ、石綿氏は経営者が先行して検討すべき要素として「組織体制」「レバレッジ戦略」「評価制度」「データの資産化」という4つの視点を提示した。また、各部署の業務フローに精通したマネージャー層などを中心に、社内のAI活用人材を育成することの重要性を説明した。

講演後の質疑応答では、非エンジニアによるAIエージェントの設計・構築や社内データの管理などについて質問が寄せられた。目的に応じて蓄積するデータと接続先を整理し、必要な範囲から段階的に設計することが、継続的な成果につながると説いた。

「ツール導入」から「業務の再設計」へ。AI活用を次のフェーズへ

石綿氏が示した実践論が示唆するのは、AI導入をツールの追加だけで捉えず、既存の業務や組織、評価制度まで含めて再設計する視点の重要性だ。

従来の業務プロセスを維持したままAIを導入しても、組織全体の成果につながらない可能性もある。個々の社員の工夫やITリテラシーに依存するだけでは、全社的な利益率の改善や競争力の向上にはつながらないのだ。経営者が自ら業務を分解し、人員の再配置や削減された時間の使い道を明確に定めて初めて、組織全体にレバレッジが作用する。

さらに、AI活用によって業務の進め方や役割が変われば、それに応じて評価制度をどのように見直すかも検討課題となる。AI活用で生まれた時間や人的リソースを、どの業務に振り向けるかという視点も必要になるだろう。

企業のAI活用では、ツールの導入だけでなく、AIと人の役割を整理し、組織体制や評価制度、データの扱いまで設計する視点が重要になる。AXが提示した組織と業務の再構築モデルは、AIを継続的な業務成果につなげる上で、業務や組織の再設計まで含めて経営課題として捉える一つのアプローチを示している。

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