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2026.10.15

日本はいまだ「レベル1」? 個人利用から組織の変革へ、AI活用の現在地

全社的な生成AIツールの導入に踏み切り、現場へアカウントを配布。しかし実際の用途はメールの下書きや要約といった個人的な作業にとどまるという企業は少なくないのではないか。生成AIの活用が「便利な個人用ツール」の域を抜け出せず、組織全体の生産性向上や業績改善に結びつく実感を持てずにいる、そんなもどかしさが組織には存在する。
こうした停滞の要因を解き明かす調査結果が提示された。2026年9月4日、Notion Labs Japan合同会社は「Notion グローバルAI変革調査2026 日本版レポート」を公開。グローバル市場との比較分析から、日本企業の生成AI活用の成熟度、また生成AIの組織展開を阻む具体的な障壁があらわになっている。(文=AI Base編集部)

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個人利用が先行する日本。成熟度を分けるROIとガバナンス

Notion Labs, Inc.が実施した本調査では、日本企業の意思決定者337名および現場担当者673名、計1,010名の回答を抽出。グローバル市場(全体サンプル6,118名)との比較を通じて、日本企業におけるAI活用の成熟度や導入課題を多角的に分析したものだ。

本調査では、AI活用の成熟度合いが以下の4段階で定義されている。

・レベル 1:AI as a thought partner(思考のパートナー)
個人がAIを使って、ドラフト作成、要約、アイデア出しなどを行う段階。

・レベル 2:AI as an assistant(アシスタント)
AIが日常業務や社内システム、データソースに組み込まれ、定型業務を支援する段階。

・レベル 3:AI as teammates(チームメイト)
AIエージェントが、チーム単位の反復ワークフローを自律的に実行する段階。

・レベル 4:AI as the system(システム)
AIエージェントが、ビジネス上重要な複雑なプロセスを自律的に担う段階。

レポートによると、日本企業のAI活用は「個人レベル」が先行している。AIを「思考のパートナー」として利用し、ドラフト作成、要約、アイデア出しなどに使う「レベル1」の割合は66%に達し、グローバルの57%を上回った。一方で、AIを「チームメイト」や「システム」として利用するレベル3〜4に属する層は、日本で11%、グローバルで12%と、大きな差はない。これらを踏まえると、日本ではAI活用の入口は広がっているものの、活用の中心はまだ個人の思考支援や作業支援に寄っている傾向が見られる。

(引用元:PR TIMES)

現場担当者の活用シーンにおいても、成熟度による差は鮮明だ。レベル1~2に属する層ではメール作成や要約といった個人の作業補助に利用が偏る一方、レベル3~4に属する層では、反復業務の自動化やデータ分析といった高度な実務へと活用の幅を広げている。

(引用元:PR TIMES)

活用の成熟度を分ける最大の要因は、「ROI(投資対効果)およびビジネスへの影響の測定」だ。レベル3~4の層では48%がROIを測定しているのに対し、レベル1~2の層では18%にとどまり、30ポイントの開きが生じている。「ガバナンスとコンプライアンスの整備」でも21ポイントの差がついた。成果指標の欠如と安全運用確保の遅れが、組織展開を阻む要因となっている実態が示されたといえよう。

(引用元:PR TIMES)

便利ツールで終わらせないために。成果を可視化する組織設計

今回の調査結果が示唆するのは、AI導入の成功要因が「どのツールを採用するか」から「成果をどう測定し、組織に統合するか」へと移行しているという事実だ。

日本企業で個人利用からの脱却が進まない背景には、現場の心理的不安と環境の未整備がある。現場担当者の74%が「重要な業務でAIがミスをしないと信頼できれば、もっと活用するだろう」と回答したように、明確なガバナンスがない状況では重要業務への組み込みは進みにくい。また、社内の文脈やナレッジから切り離されたツールを個別に配るだけでは、利用範囲が一般的な事務作業から広がらないのも自然な帰結といえる。

(引用元:PR TIMES)

今後、AIエージェントが自律的にタスクを担う時代へ移行するにあたり、企業が整えるべきは「成果指標の共有」と「社内情報の一元化」だ。調査では日本の意思決定者の68%が「社内のナレッジへのアクセスが改善されれば、AIはより大きな価値をもたらすだろう」と回答している。

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