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2026.10.12

社内ナレッジを可視化。AIエージェントを自社で育てる

全社に生成AIを導入したものの、社員が使うのは簡単なメールの文面作成ばかり。社内ヘルプデスクの問い合わせ対応や複雑な申請業務を効率化しようと自社専用のAIエージェント構築を試みるものの、期待通りの精度が出ずに現場で放置されてしまう。多くの企業が直面しているこの停滞の根本原因は、AIツールの性能不足ではない。そもそも社内の業務プロセスが整理されておらず、参照すべきマニュアルやFAQがAIにとって読み解けない形で散在していることにある。

こうした実装の壁を突き破り、企業が自らの手でAIエージェントを運用し続ける「自走化」を促す新たなアプローチが動き出した。2026年7月29日、TISインテックグループの株式会社マイクロメイツは、「Copilot Studio内製化支援・開発代行サービス」の提供を開始した。長年培った業務可視化のノウハウとナレッジの再設計を組み合わせ、最短3カ月からの伴走によって内製化を後押しする仕組みが、企業のAI活用を確実な定着へと導こうとしている。(文=AI Base編集部)

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業務整理とナレッジ再設計。RAG精度を高める伴走支援

マイクロメイツが提供を開始した本サービスは、自社業務に適したAIエージェントをノーコードやローコードで構築できる「Copilot Studio」を活用し、設計から運用・定着までを伴走支援するものだ。

(引用元:PR TIMES)

本支援の最大の特徴は、ツールの導入に先立ち、現場の業務プロセスを専門スタッフが整理・可視化する点にある。同社が約7年にわたり提供してきた「業務課題 可視化サービス」の知見を生かし、現場の業務フローを精査したうえで、どの業務をエージェント化すべきか、どこに優先順位を置くべきかを明確に見極め設計に入る。

さらに、社内に散在するマニュアルやFAQを、AIに最適化された構造へと再設計する点も大きな特徴だ。同社の社内検証環境では、ナレッジの構造化と設計改善によってRAG(検索拡張生成)の精度が30%以上向上する成果を確認している(※)。マニュアル作成で培ったドキュメント設計の知見を投入し、継続的なデータ更新を前提とした運用体制を築く構えだ。

(※)マイクロメイツ社内検証環境において、ナレッジの構造化および設計改善を実施した場合の参考値。対象となるデータの内容や品質、運用状況により効果は異なる

加えて、初期構築は開発代行で行い、運用段階で社内メンバーへの内製化支援へ切り替えるなど、柔軟なハイブリッド体制を採用。企業の状況に応じた支援で自走化を促し、最短3カ月からのスモールスタートを可能にしている。

自社で“育て続ける”組織へ。AIエージェント定着の条件

多くの企業では、社内向けAIエージェントの構築を外部ベンダーへ丸投げしてブラックボックス化させてしまうか、逆にノウハウがないまま現場任せにして挫折するケースが後を絶たない。業務のやり方やルールは日々変化する。その中で、現場が自らエージェントを調整し、マニュアルを更新できる体制を整えなければ、どれほど高度な仕組みを作っても短期間で形骸化してしまう。だからこそ、外部に依存しきらず、変化に合わせて自社でAIを育て続けられる「自走の仕組み」が不可欠となるのだ。

また、社内ドキュメントをAIが正しく理解できる形式へ再編する作業は、単なるAIの回答精度向上にとどまらない意義を持つ。属人化していた業務手順や暗黙知を洗い出し、組織全体のナレッジとして再定義する契機となるからだ。

AIエージェントを組織の力に変えるために必要なのは、高機能で目新しいツールの導入ではなく、現場の業務理解と社内で育て続ける運用の仕組みにほかならない。マイクロメイツが提示した内製化支援のモデルは、企業が形式的なIT導入を脱し、自社にフィットするAI活用を確立するための足がかりとなるだろう。

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