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2026.09.15

行政DXの要。LGWAN対応の生成AI

住民からの多様な問い合わせに対応し、膨大な文書作成や議事録の整理に追われる自治体職員。行政サービスの最前線は、常にリソース不足の重圧にさらされている。この過酷な労働環境に、生成AIの力を安全に持ち込む新たなプラットフォームが誕生した。インターネットから切り離された行政専用ネットワークに対応し、セキュリティと利便性を両立する最新ソリューションが、地方自治体の業務をどう前進させるのか。(文=AIBase編集部)

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閉鎖網で安全に稼働。自治体特化のAI環境

2026年8月、人工知能の研究開発を手掛けるJAPAN AI株式会社は、自治体向けサービス「JAPAN AI 行政」の提供を開始した。本サービスは、文書作成、議事録作成、問い合わせ対応、庁内ナレッジ検索など、自治体職員の日常業務を生成AIで支援する統合プラットフォームだ。

(引用元:PR TIMES

最大の特徴は、インターネット接続環境に加え、LGWAN(総合行政ネットワーク)接続環境での利用に対応している点にある。行政機関では高いセキュリティが求められるため、閉鎖されたネットワークであるLGWAN内で機密情報を安全に扱う必要がある。本システムは入力データをAIの学習に利用しない運用や、権限設定、操作ログ管理など、自治体での活用を見据えたセキュリティ対策を完備している。

機能面では、自然な言葉で指示するだけで、プログラミングなしに業務に特化したAIエージェントを作成できる。初回から利用可能なエージェントとして、法令や過去の企画書を参照して文案を作成する「文書作成支援」、議会会議録やFAQをもとに想定問答を作る「議会・住民対応支援」、記者発表資料やSNS投稿文を作る「広報支援」などが用意されている。

また、同社開発の高精度RAG技術により、庁内文書や過去事例を横断して検索し、必要な情報をすばやく回答する機能も備える。現在、サービスの提供開始を記念し、先着で数自治体を対象に3カ月の無料トライアルキャンペーンを実施している。導入後の定期的な活用支援も提供し、現場での定着を後押しする構えだ。

セキュリティの壁を超える。行政変革の土台

これまで多くの自治体がAI活用に関心を示しながらも、情報漏洩への強い懸念から導入に踏み切れないケースが多発していた。住民の個人情報や機密性の高い行政文書を扱う業務の性質上、外部のインターネットに接続するクラウド型のAIサービスをそのまま利用することは許されない。LGWANという行政専用の閉鎖ネットワークに対応し、データの学習利用を防ぐというセキュリティの絶対条件を満たしたプラットフォームの登場は、この高い障壁を構造的に取り払うものだ。

安全なインフラが整うことで、職員は膨大な過去の議事録や法令をAIに読み込ませ、瞬時に必要な情報を引き出せるようになる。これにより、窓口での住民対応や議会に向けた想定問答の作成にかかる時間が大幅に短縮される。ルーティンワークや資料探しに費やしていたリソースを、複雑な相談対応や地域の課題解決に向けた企画立案など、人間にしかできない高度な業務へとシフトさせることができるのだ。

さらに、ノーコードで各部署の業務に合わせたAIエージェントを作成できる機能は、特定のIT人材への依存を防ぎ、全庁的なDXを推進する鍵となる。現場の職員自身が自らの業務課題に合わせてAIをカスタマイズすることで、机上の空論ではない実用的な自動化が定着していく。

行政の現場にAIという強力なアシスタントが常駐する環境は、リソース不足に悩む地方自治体の運営を強靭なものへと変えていく。安全で手軽なAIインフラの普及が、より迅速で質の高い住民サービスを生み出す土台を築き上げるだろう。

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