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2026.08.19

「ひとり業務」を救うAI。ナレッジ自動化

会社の根幹を支える経理や人事、情シスといったバックオフィス業務。しかし中小企業の多くでは、その全容を一人の担当者だけが把握しているケースが珍しくない。担当者の急な不在や退職によって、業務が滞るリスクが生じる。この「属人化」というリスクに、企業はどう向き合うべきか。日々のチャットのやり取りから業務マニュアルを自動生成し、組織のノウハウを資産に変える新たなアプローチから、持続可能な組織づくりのヒントを探る。(文=AIBase編集部)

日々のやり取りを資産へ。AIが自動生成

2026年7月、ITシステム運用自動化プラットフォームなどを提供する株式会社フィックスポイントは、同年4月からベータ版を提供しているAIナレッジ基盤「Know+」において、「ひとり業務担当者」向けのサービス提供を開始した。あわせて限定特典を付与するトライアル企業の募集もスタートさせている。

(引用元:PR TIMES

中小企業の経理や人事、労務、情シスといった部門は、専任担当者が1〜2名で業務全体を担うことが大半だ。対応履歴やノウハウが個人のタスク管理ツールやチャットの中に散在し、その担当者が不在になればたちまち業務が滞るリスクが生じる。現場はこうした属人化のリスクを自覚しながらも、日々の作業に追われてマニュアル整備に手が回らないという悪循環に陥っていた。

(引用元:PR TIMES

この課題を解決するため、同社は「Know+」を展開している。これは属人化しがちな現場のノウハウを誰もが使えるナレッジに変えるプラットフォームだ。最大の特徴は、チャットや業務ツールに日々蓄積されるやり取り(フロー情報)をAIが自動で収集し、マニュアルやFAQといったストック情報へと自動変換する点にある。

担当者が手作業で文書をまとめる必要はなく、AIが24時間自動で学習し、情報を整理・更新し続ける。さらに社員からの質問に対しても、集積されたナレッジをもとにAIがチャット形式で回答。これにより、担当者への反復的な問い合わせが大幅に減少し、組織全体の業務スピードが向上する。国内シェアの高い各種SaaSとの連携も可能であり、現場での実用性を重視した設計となっている。

個人の記憶を「知恵」へ。バックオフィス変革

特定の社員が持つ「暗黙知」に依存した業務体制は、企業の事業継続におけるリスクの一つである。ベテラン担当者に蓄積された知識が十分に共有されていなければ、不在や異動、休職、退職などによって業務に支障が生じる可能性がある。こうした属人化への対応では、担当者自身がマニュアルを整備するだけでなく、日々の業務で生まれる情報を継続的に蓄積・共有できる仕組みを整えることも重要になる。

(引用元:PR TIMES

同社のソリューションが優れているのは、チャットや業務ツールに蓄積された日々のやり取りをAIが収集・整理し、FAQや手順書などのナレッジへ変換する点にある。担当者によるマニュアル作成や情報整理の負担を抑えながら、業務の中で生まれる知識を組織内で共有できる。社員は疑問があればまずAIに問いかけ、AIが過去の対応履歴をもとに回答する。担当者の分身が常に組織内に待機している状態を作り出せるのだ。

これにより、ひとり業務担当者は反復的な問い合わせから解放され、本来集中すべき高度な判断や戦略的な業務にリソースを割くことができる。さらに急な休職や退職が発生した場合でも、業務プロセスや過去の経緯がAIのデータベースに整理されているため、引き継ぎにかかる時間とコストを劇的に抑えられる。

システム運用の自動化で培われた技術が、今度は人間の知識活用を支えるインフラへと応用されている。個人の記憶にとどまっていたノウハウを組織全体で循環させ、企業の「知恵」として最大化する。このアプローチは、人材流動性が高まる現代において、企業が安定した業務体制を構築するための選択肢の一つとなるはずだ。