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2026.09.02

営業をAIチームへ委託。愛媛で進むAX

地方の中小企業では、人手不足により新規顧客の開拓まで手が回らず、販路拡大の停滞が事業継続を脅かしている。生成AIの導入も、機密情報の漏洩リスクや煩雑な設定が壁となり、実務への定着は容易ではない。
こうした現場の限界を、複数のAIエージェントの連携が打ち破ろうとしている。
2026年7月、安全性に配慮したAIエージェントを営業工程に配備する取り組みが始まった。

愛媛県の実装事業「トライアングルエヒメ2.0」に、株式会社RAYVENのAI営業伴走支援プロジェクトが採択された。県内企業2社で、安全なデータ連携の下、実務を自律遂行する「AI営業部門」の実装を進める。(文=AI Base編集部)

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MCPで安全性を担保。SNS発信から商談予約までを自律支援


(引用=PR TIMES

愛媛県による「トライアングルエヒメ2.0」は、デジタル技術の現場実装と定着を目指すプロジェクトだ。2026年度の新規採択プロジェクト募集では過去最多となる507件の応募があり、審査を経て17件が採択された。RAYVENが展開する「AI営業エージェントによる営業工程の自動化プロジェクト」は、その採択事業の一つとして2026年7月から2027年3月にかけて実証を行う。
本プロジェクトの基盤となるのが、RAYVENが独自開発した「Tumiki MCP Manager」である。AIと外部システムをつなぐ標準プロトコル「MCP」の通信において、アクセス権限の制御や個人情報の自動マスキング、監査ログの取得を一元的に適用。企業が懸念する情報漏洩リスクを抑えた環境を構築する。

(引用=PR TIMES

この安全な基盤の上で、複数のAIエージェントがチームとして機能する。SNSでの発信や見込み顧客の獲得、AI架電による商談予約、さらには商談後の議事録作成まで、営業プロセスの全工程を分担して伴走する仕組みだ。
今回の実装先となるのは、車業界向けクラウドサービスを展開する株式会社イプラと、複数事業を展開する山陽物産株式会社の2社である。属人化しがちだった営業ノウハウのデータ化や顧客フォローの自動化を進め、2社合計で商談数2倍、新規売上20%増(年間約5,000万円相当)の達成を目指す。

「ツールの導入」から「エージェントの組織化」へ

愛媛県で始まった今回の取り組みが示唆するのは、中小企業におけるAI活用の主眼が「単体ツールの導入」から「自律エージェントの組織化」へ移行し始めたという点だ。
専門のIT人材が限られる中小企業にとって、複数のSaaSや個別のAIを人間がつなぎ合わせて運用することは大きな負担であった。しかし、MCPのような標準規格を介してAI同士が連携し、裏側で強固なガバナンスが機能する環境が整えば、現場は複雑なシステム管理から解放される。これにより、AIを「道具」として個別に操作する段階を越え、信頼できる「実働部隊」として実務を委ねることが可能になるのだ。
また、この体制は現場の社員を過度な定型作業から解放し、対面での信頼構築や個別提案といった、人間にしかできないコア業務への回帰を促す。ルーティン業務をAIが下支えすることで、少人数の組織であっても営業力を最大化できる環境が生まれるだろう。
AIは対話型の相談相手にとどまらず、企業の業務フローに直接組み込まれる執行者としての役割を確立しつつある。地方発のこの実証は、限られたリソースで持続的な成長を目指す中小企業にとって、営業トランスフォーメーションを現実化する道筋を示すものとなりそうだ。

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