「ググる」時代が終わりを告げようとしている。人々は検索窓にキーワードを打ち込むのではなく、AIに問いかけ、その「答え」を信じて行動するようになった。この変化は、Webサイトへの流入減少(ゼロクリック)という表面的な問題にとどまらない。もっと根本的で、不可逆的な商取引の変革を予兆しているだろう。
AIがユーザーの好みを学習し、商品の選定から購入、決済までを自律的に代行する――。そんな「エージェンティックコマース(AI代理購買)」の到来を見据え、デジタルガレージグループが新たな支援サービスを開始した。AIに「選ばれる」ことが企業の死活問題となる時代、同社が提示した「次の一手」は、これまでのマーケティングの常識を覆す可能性を秘めている。(文=AI Base編集部)
2026年1月15日、株式会社デジタルガレージとその子会社である株式会社DGビジネステクノロジーは、AI検索最適化(GEO)と決済連携を統合した新サービスの提供を開始した。
背景にあるのは、劇的な「検索体験」の変化だ。ChatGPTやAI Overviewsの普及により、生活者の購買行動は「検索結果からサイトを探す」ことから、「AIと対話し、推奨された商品を買う」ことへとシフトしている。この流れが加速すれば、従来のSEO(検索エンジン最適化)だけでは商品は誰の目にも留まらなくなる。
(引用元:PR TIMES )
そこで重要になるのが、GEO(Generative Engine Optimization)だ。今回のサービスでは、主要なAI検索において自社ブランドが「信頼できる推奨候補」として引用されるよう、コンテンツの構造化や信頼性強化を支援する。AIの回答画面内での占有率を高めることで、サイトへの遷移に依存しない新たなブランド認知を形成する狙いだ。
また、本サービスの開始に合わせて、自社ブランドがAIからどのように評価・推奨されているかを可視化する「無料診断」も実施される。「AI検索対策に取り組みたいが、何から始めればいいか分からない」という企業にとって、自社の立ち位置を客観的に把握するための有効な一手となるはずだ。
さらに画期的なのは、その先の「決済」までを見据えている点だ。ECサイトを介さず、AIエージェントが直接在庫情報や商品データを参照し、購買手続きまで完遂できる「ヘッドレス」な環境構築を支援する。これにより、AIが商品を推奨した瞬間に、裏側でシームレスに決済まで完了させるという、次世代の商取引が可能になる。

(引用元:PR TIMES )
この取り組みが示唆するのは、商流の主導権が「人」から「AI」へと移りつつあるという現実だ。これまでのEコマースの勝負は、いかに検索順位を上げ、ランディングページで人を説得するかだった。しかしこれからは、「いかにAIに正しく商品を理解させ、推奨リストに入れてもらうか」がビジネスの成否を分けることになる。
デジタルガレージグループの強みは、国内最大級の「決済インフラ」と、価格.comや食べログなどで培った「データマーケティング」の知見を融合できる点にある。AI検索対策という入り口から、決済という出口までを一気通貫で押さえることで、AI時代の新たな商流を力強く支えることができるのだ。さらに今後は、金融・決済データを活用した「購買予測」と本サービスを組み合わせる構想もある。ユーザーが次に何を欲しがるかをAIが高精度に予測し、先回りして提案する。この技術的な裏付けがあるからこそ、絵空事ではない現実的な戦略として機能するのだ。
AIが潜在ニーズを先回りして商品を提案し、気づけば手配まで完了している。そんな究極にスムーズな購買体験が実現すれば、私たちの消費体験は劇的に変わるだろう。SEOの次はGEOへ。変化の波をいち早く捉えAIを味方につけた企業だけが、次の時代の勝者となるはずだ。