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2026.11.02

電子カルテ一体型AI。紹介状を即下書き

医師の長時間労働の是正に向けた「働き方改革」が強く求められる一方で、実際の医療現場では依然として膨大な書類作成が日々の診療時間を圧迫し続けている。特に、他院への紹介状の作成や、過去のカルテ記録の読み返しは、多忙な医師の心身をすり減らす重い負担となってきた。診察後も深夜までPCに向かい、記録入力や文書作成に追われるあまり、患者と向き合う時間が削られてしまう構図は、医療業界における長年の課題となっている。
こうした医療従事者の文書作成負担を軽減すべく、電子カルテの動線上で直接活用できる生成AIアプローチが動き出した。2026年9月、ソフトマックス株式会社は電子カルテシステム「PlusUs」において、診療記録の要約や紹介状の原案作成を支援する生成AIサービスの提供を開始した。外部システムとの連携を必要とせず、カルテ画面からワンクリックで動く仕組みが、医療現場におけるDXを現場から着実に後押ししようとしている。(文=AI Base編集部)

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医療文書の作成を支援。カルテ画面からワンクリックで起動


(引用元:PR TIMES)

ソフトマックスが提供を開始した本サービスは、電子カルテシステム「PlusUs」に大規模言語モデル(LLM)を組み込み、医療文書の作成や診療記録の要約を支援する機能群だ。

中核機能の一つが「診療情報提供書(紹介状)の作成支援」である。電子カルテに記録された診療情報を生成AIが読み込み、診療経過や治療内容などを整理した上で紹介状の原案を作成する。紹介先の医療機関や診療科、紹介目的などの補足情報を指定することで、その内容を考慮した文章の生成が可能だ。さらに、生成文の根拠となったカルテ記事を個別に確認できる仕組みも備える。

また、「ショートサマリー作成支援」機能では、指定した期間の特定患者のSOAP記事(※)をAIが横断的に解析し、症状や経過を時系列で要約する。長期入院患者の診療記録も短時間で把握できるため、診療前の情報確認や医療従事者間の情報共有などに活用できる。

本サービスの特長は、電子カルテと一体型で提供される点にある。電子カルテの診療入力画面からワンクリックで起動し、患者情報も自動で引き継がれるため、別システムへの再入力は不要だ。

セキュリティ面では、入力データが基盤モデルの学習に再利用されない仕組みを採用。さらに、医師が内容を確認・修正した上で確定させる「Human-in-the-Loop(人による確認)」の運用を前提とすることで、業務を効率化しながらも、医療文書としての正確性と安全性を厳格に担保している。

(※)SOAP記事:主観的情報(Subject)、客観的情報(Object)、評価(Assessment)、計画(Plan)の4項目に整理して記載する手法のこと

診察の手を止めずに使える強み。日常の動線で動くAI

ソフトマックスによる今回の機能提供が示唆するのは、医療現場における生成AIの実装が「別画面で開く外部ツール」から、「基幹システムの動線に組み込まれた機能」へとシフトし始めたという事実だ。

これまで医療現場におけるAIツールの多くは、電子カルテとは切り離された独立型であった。しかし、多忙な医師にとって、患者情報を外部ツールへコピー&ペーストし、個人情報をマスキングした上で文章を生成する手間は、かえって動線を乱す要因になりかねない。基幹システム上で、ワンクリックで文書の原案が立ち上がる仕組みこそが、現場に生成AIが定着するための必須条件といえるだろう。

また、出力された文章の「根拠となったカルテ記事」を個別に逆引きできる設計も見逃せないポイントだ。人命を預かる医療の現場では、AIの誤情報(ハルシネーション)は許されない。どの記述がどの記録に基づくかを医師が即座に確認できる仕組みは、医療安全の確保と文書作成の省力化を両立させるための現実的な配慮だといえる。

医師がPCに向かう時間を減らすことは、患者の目を見て対話する本来の医療時間を取り戻すことにつながる。ソフトマックスが提示した電子カルテ一体型のアプローチは、医療の質を守りながら現場の過重労働を是正するための確かな足がかりとなるはずだ。

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