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2026.03.11

利用調査で見る、生成AI“3強時代”の選定基準とは?

「結局、うちの会社にはどのAIを導入すべきなのか」。生成AIの選択肢が爆発的に増え続ける今、企業のIT担当者やDX推進リーダーたちはそんな悩みに頭を抱えている。機能強化のニュースは連日のように飛び込んでくるが、自社の環境にベストマッチな「解」を見つけるのは容易ではない。
混迷する状況に対し、DX支援を手掛けるRagate株式会社が実施した大規模調査が、一つのヒントを提示した。500名以上の実務者が回答したそのデータには、単なる人気投票ではない、企業の生存戦略とも言えるシビアな「選定のロジック」が刻まれていた。(文=AI Base編集部)

圧倒的シェアのChatGPTに、CopilotとGeminiが続く“3強構造”が判明


(引用元:
PR TIMES )

2026年1月16日、Ragateは企業の生成AI利用実態に関する調査結果を公開した。この調査で浮き彫りになったのは、OpenAIの「ChatGPT」が依然として圧倒的な存在感を放っているという事実だ。業務利用率において45.5%というトップシェアを獲得。約2社に1社が導入している計算になる。「生成AI=ChatGPT」という第一想起の強さは、先行者としての優位性を保ち続けている証左と言えるだろう。

(引用元:PR TIMES )

しかし市場は、ChatGPT一強というわけではない。Microsoft環境との統合を武器にする「Copilot for Microsoft 365」が33.9%、Googleのエコシステムを活かした「Google Gemini」が30.7%で追随しており、この3サービスが市場を牽引する「3強構造」が鮮明になっている。一方で、より高度なセキュリティ要件や既存のクラウドインフラとの統合を重視する企業層からは、「Google Vertex AI(8.2%)」や「Azure OpenAI Service(7.7%)」といったエンタープライズ向けのクラウドAIサービスも一定の支持を集めている。

調査によれば、企業がツールを選定する際の判断基準は「既存IT環境との親和性」「主な利用シーン」「セキュリティ要件」「コスト構造」の4点に集約されるという。これはAI活用が単なるチャットツールの導入を超え、基幹システムへの組み込みなど、より深いフェーズへと進んでいることの表れでもある。

性能勝負から環境適合へ。既存ツールとの親和性が決めるAI導入の成否

今回の調査結果から読み取れる最大のトレンドは、企業のAI選定基準が「単体の性能」から「環境への適合性」へとシフトしている点だ。かつては「どのAIが一番賢いか」が最大の関心事だったが、今は「自社の業務フローにいかにスムーズに溶け込めるか」が重要視されている。Microsoft 365を全社導入している企業ならCopilot、Google WorkspaceメインならGeminiというように、既存のIT資産との親和性が導入の決定打となるケースが増えているのだ。

この流れは今後さらに加速し、企業のAI活用は「一点突破型」から「適材適所型」へと進化していくだろう。例えば、アイデア出しや汎用的なリサーチにはChatGPTを使い、議事録作成や社内文書の検索にはCopilotを使うといったように、複数のAIツールを用途に合わせて使い分ける「マルチAI運用」が標準的なスタイルになっていくはずだ。

では、自社に最適なポートフォリオをどう組めばよいのか。まずは業務を棚卸しし「文書作成」「データ分析」「コード生成」など、どのタスクをAIに任せたいかを明確にすることが第一歩だ。その上で自社だけで抱え込まず、業務プロセスを可視化し最適なツール構成を提案してくれる外部の専門家を頼るのも有効な手段だ。客観的な視点を取り入れることが、失敗しないAI導入への近道となる。

ツールありきではなく、自社の業務課題とIT環境を見極め、最適なパズルを組み合わせる。そんな「全体を設計する力」こそが、これからのDX推進担当者に求められる必須スキルとなるに違いない。