「来週のどこかで打ち合わせをお願いします」。ビジネスチャットでよく見るこの一文に対し、カレンダーを開き、空き時間を確認し、候補日を書き出す。この作業に、私たちは一体どれだけの時間を費やしているだろうか。単純だがミスが許されないこの「日程調整」という業務が、AIによって劇的に変わろうとしている。
法人向けChatGPTサービス「ChatSense」が、新たにGoogleカレンダーとの連携機能を実装した。AIがリアルタイムで予定を把握し、あなたの代わりに候補日を即座に提案してくれる。それはまさに、全社員に専属の「AI秘書」が配属されるような未来の到来だ。(文=AI Base編集部)
2026年1月15日、株式会社ナレッジセンスは、同社の法人向けサービス「ChatSense」の追加学習(RAG)機能において、Googleカレンダーとの連携を開始したと発表した。
(引用元:PR TIMES )
これまでChatGPTなどのAIに日程調整をさせるには、自分の予定をテキストで入力するか、カレンダーのスクリーンショットを読み込ませるといった手間が必要だった。しかし、今回の連携機能によりそのプロセスは不要になり、一度連携すれば、AIがGoogleカレンダー上の最新の予定を常に把握する。「来週の空いている時間を教えて」と聞けば、AIが自動でカレンダーを参照し空き時間をリストアップ。さらに、「この候補日で調整メールを作成して」と指示すれば、相手に送る文面の作成までワンストップで完了する。
また、連携後はカレンダー情報が自動で更新されるため、常に最新のスケジュールに基づいた調整が可能だ。Google系だけでなくMicrosoft 365など主要なグループウェアとも連携済みであり、すでに東証プライム上場企業を含む500社以上で導入されている実績も、実務での使い勝手の良さを裏付けている。
(引用元:PR TIMES )
特筆すべきは、AIの回答に必ず「参照元(ソース)」が表示される点だ。カレンダーという絶対的な事実データに基づき、根拠を提示しながら回答することで、AIの課題である「ハルシネーション」を防ぐ。これは、AIが社会インフラとして定着するために不可欠な「信頼の担保」を、システムレベルで実装した好例と言える。
企業のDX担当者にとって、AI活用における最大の懸念はセキュリティだ。特にカレンダーのような、個人の行動データを含む情報をAIに連携させることには慎重にならざるを得ない。
その点、ChatSenseは「学習データとして利用されない」セキュアな環境を構築することでこのジレンマを解消している。これにより、プライバシーを守りながらAIの高度な支援を受けるという、データ活用とセキュリティの共存モデルが確立された。今後は、Google DriveやBoxなど他の社内データとも連携し、「空き時間の確認」と「会議資料の準備」を同時にAIに任せるといった高度な使い方も当たり前になるだろう。
(引用元:PR TIMES )
さらに、ChatSenseには優秀なプロンプトを社内で共有する機能も備わっている。そのため、個人のスキルに依存せず、組織全体でAI活用レベルを底上げすることが可能だ。
日程調整がリアルタイムかつ自動で行われるようになれば、組織における「時間」の概念も変わるかもしれない。例えば、プロジェクトの進捗に合わせて、AIが組織全体のカレンダーをパズルのように最適化し、必要なメンバーのアサインを自動で行う未来も想像できる。
AIは単なる便利ツールを超え、組織のリソース配分やコミュニケーションを最適化する「神経系」のような役割を担い始めている。「大企業の知的活動を最速にする」という同社のミッションは、そんな「環境知能」へと発展していくAIの未来像を予感させる。