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2026.02.09

24時間いつでも「気兼ねなく」相談を。シノケンがAIアバターで実現する、不動産投資の新しい入り口

資産形成には関心がある。しかし、不動産会社の問い合わせフォームに名前を入れる瞬間、ふと指が止まる。「一度連絡したら、しつこく営業されるのではないか」「知識がないとカモにされるのではないか」。そんな警戒心と不安が、多くの潜在顧客を第一歩から遠ざけてきた。この心理的な壁を、テクノロジーの力で取り払おうとする試みが始まった。

2026年1月9日、アパート経営のパイオニアである株式会社シノケングループと、AI技術に強みを持つ株式会社PKSHA Technologyが共同開発した「シノケン・セールスAIエージェント」の提供が開始された。これは24時間、いつでも相手に気兼ねすることなく相談できる「AIアバター」だ。対人コミュニケーションのストレスを極限まで下げることで、不動産投資の入り口はどう変わるのか。(文=AI Base編集部)

PKSHAの技術×35年の販売実績。最強の「新人」がデビュー

今回リリースされたサービスは、不動産業界で初めてとなる生成AIアバターによる対話型の顧客対応システムだ。対象となるのは、シノケングループのアパート経営に関心を持ち、面談予約をした顧客である。実際の面談が行われるまでの準備期間に、専用アカウントを通じてこのAIエージェントと自由に会話ができる仕組みだ。

(引用元:PR TIMES

システムの核となっているのは、PKSHAが持つ高度なAI技術だ。生成AIとリップシンク(口の動きとの同期)技術を連携させることで、画面上のアバターは人間のように自然な表情と発話で応答する。しかも、単に滑らかに喋るだけではない。このAIには、シノケングループが創業以来35年以上にわたり蓄積してきた、累計約8,000棟の販売実績と入居率99.0%を誇る賃貸管理のノウハウがすべて学習されている。

そのため、「アパート経営のリスクは何か?」「自己資金はいくら必要か?」といった核心を突く質問に対しても、曖昧にはぐらかすことなく、具体的な数字や根拠を示して回答することができる。また、言葉だけの説明では伝わりにくい内容については、関連する資料や解説動画を画面上に提示する「マルチモーダル対応」も備えており、顧客は自分のペースで理解を深めることが可能だ。

「売り込まない」からこそ売れる? 高額商材におけるAIの役割

この取り組みが示唆しているのは、高額商材のセールスプロセスにおける「人間とAIの役割分担」の最適解だ。

不動産投資のような人生を左右する買い物において、顧客が最も恐れるのは「判断を急かされること」と「知識不足のまま契約させられること」である。生身の営業担当者を相手にすると、どうしても「こんな初歩的なことを聞くのは恥ずかしい」「夜遅くに連絡するのは悪い」といった遠慮が働く。あるいは、「質問したら最後、強引にクロージングされるのではないか」という警戒心も拭えない。

対して、相手がAIであれば、これらの心理的障壁は消滅する。深夜2時であっても、同じ質問を10回繰り返しても、AIは嫌な顔ひとつせず、淡々と正確な情報を返し続ける。この「気兼ねなさ」こそが、顧客にとって最大の価値となる。AIとの壁打ちを通じて、顧客は自身の知識レベルを高め、疑問点を解消し、納得感を持った状態で次のステップへ進むことができるのだ。

そして、AIが基礎的な情報提供や不安解消といった「教育フェーズ」を担うことで、人間の営業担当者は、より高度な役割に集中できる。顧客のライフプランに深く寄り添った提案や、複雑な融資の調整といった、人間にしかできないコンサルティング業務だ。

AIは人間の仕事を奪うのではなく、「人間と話す前の準備運動」を完璧にサポートするパートナーとなる。顧客は心理的な武装を解除した状態で安心して相談でき、営業側も成約確度の高い商談にリソースを集中できる。シノケンの試みは、売り手と買い手の間に生じがちな情報格差を解消し、双方が幸せになる新しい不動産取引の形を提示していると言えるだろう。