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2026.02.02

「AIを使うか否か」の議論は終わった。「定着フェーズ」の生成AIが突きつける残酷な生産性格差

生成AIの登場から数年が経過。かつて「魔法の杖」のようにもてはやされた生成AIも、今やPCやスマートフォンと同じくなくてはならない「仕事のインフラ」になりつつある。最新の調査結果が示したのは、AIが一部のテック愛好家のためのおもちゃではなく、実務の現場に深く根を下ろした現実だ。2026年、私たちはビジネスの現場において、「AIを使いこなす人」と「そうでない人」の間に横たわる、埋めがたい生産性の断絶を目の当たりにすることになるだろう。(文=AI Base編集部)

「試行」から「習慣」へ、Z世代が牽引するAIの日常化

UNIT BASE株式会社が運営する生成AIスクール「デジハク」が2025年末に発表した「AI利用実態調査2025」(本調査 n=500)は、日本におけるAI活用の現在地を鮮明に映し出している。就業者かつ学習に前向きな層を対象としたこの調査において、直近30日で週2回以上生成AIを利用している人は45.8%に達し、そのうち毎日利用している層も23.2%を占めた。

(引用元:PR TIMES

この数字が意味するのは、生成AIの利用が、物珍しさから触ってみる「試行フェーズ」を完全に脱し、日々の業務に欠かせない「定着フェーズ」へと移行したという事実だ。特にこの傾向を牽引しているのがZ世代であり、利用率は48.3%と全世代で最も高い。デジタルネイティブである彼らにとって、AIはすでに「活用するのが前提」のツールとなっている。

また、利用用途が明確にパターン化されている点も、定着の証左と言える。調査によれば、使い方は「下書き・要約・リサーチ」「資料化(提案・報告)」「効率化・自動化」の大きく3つの柱に集約されている。

(引用元:PR TIMES

かつては「何に使えばいいか分からない」という声も多かったが、現在は「メールの下書きを作る」「議事録を要約する」「企画書の構成案を出す」といった具体的なタスクへの落とし込みが進んでいる。

「3時間の余白」が分かつ、これからのキャリア

この調査結果の中で、今後のビジネスシーンを占う上で最も重要かつ残酷なデータがある。それは「時短実感」だ。AI活用によって直近30日で創出された時間は、中央値で「3時間」。一見すると少なく感じるかもしれないが、毎日・週数回利用する高頻度層においては、月に「11時間から20時間」もの時間を生み出している層が厚くなっている。

(引用元:PR TIMES

ここで起きているのは、単なる作業スピードの向上ではなく、「仕事の進め方」そのものの変革だ。AI活用層の間では、「初稿をAIに高速で作らせ、人間はそれを磨き上げることに集中する」という型が普及しつつある。ゼロから頭をひねって文章を書き始める人と、AIが作った80点の叩き台を100点にする人。両者の間には、アウトプットの速度だけでなく、質においても大きな差が生まれ始めている。

月に10時間以上の「余白」を手に入れたAI活用層は、その時間をさらなるスキルアップや、よりクリエイティブな業務、あるいはAI学習への投資に充てている。実際、調査では回答者の46.8%が「AI学習に投資する意欲がある」と回答しており、中には30万円以上の投資を検討する層も一定数存在する。これは、多くのビジネスパーソンが肌感覚として、「AIスキルの有無が今後のキャリアや市場価値を左右する」と認識し始めていることの表れだろう。