1. AI Base TOP
  2. ビジネス活用を学ぶ
  3. 「技術はあっても、売れない」の壁を壊す。AIスタートアップと中小企業を繋ぐ「WASP」始動

2025.11.20

「技術はあっても、売れない」の壁を壊す。AIスタートアップと中小企業を繋ぐ「WASP」始動

(引用元:PR TIMES

優れたAI技術を持ちながらも、顧客開拓の壁に阻まれるスタートアップ。AI導入の必要性を感じつつも、信頼できるパートナーを見つけられない中小企業。この両者が抱える課題を解決する、新たなプラットフォームが始動する。全国15万社の中小企業ネットワークを用いて、AIスタートアップの営業活動を全面支援。点として存在する無数の才能と技術を繋ぎ合わせ、一つの巨大な潮流を生み出そうとしている。これは日本の経済を加速軌道に乗せ、再成長を牽引する新たなエコシステムの誕生だ。

AI業界の「ラストワンマイル」を埋める三位一体モデル

2025年11月1日より、株式会社ライトアップが新プラットフォーム「WASP(WriteUp! & AI Startup Platform)」の正式提供を開始する。このサービスの核心は、【AIスタートアップ×中小企業(SMB※1)[b]×ライトアップ】による独自の「三位一体モデル」にある。革新的な技術を持ちながら営業力に課題を抱えるスタートアップと、AI導入の糸口を探す中小企業。その間に存在する溝を埋めるのが「WASP」の役割だ。

(引用元:PR TIMES

この仕組みの根幹には、ライトアップが持つ15万社の顧客データベースと、全国1,500社の代理店ネットワークが存在する。「WASP」に参加したスタートアップは、この広大な「市場」へのアクセス権を得る。これにより、自社の戦略に基づいてターゲット企業にアプローチしたり、地域の代理店と連携して営業活動を展開したりと、効率的に顧客開拓を進めることが可能になる。そして、もう一つのアプローチが、ライトアップ独自のAIによる自動マッチング支援だ。AIがスタートアップの技術特性をインプットし、広大なデータベースの中から、その技術を必要としている可能性が高い企業を自動でリストアップ。人の目だけでは見つけ出すことが困難だった商談機会を創出する。

中小企業にとっても、これまで出会うことのなかった最先端のAIソリューションを持つスタートアップから提案を受けられるメリットは大きい。経営課題や「こんなことができたら」というニーズに対して、自社だけで情報を集めるよりも、はるかに効率的に解決策の選択肢を広げることに繋がるだろう。

※1 SMB:Small and Medium Businessの略で、中小企業を指す。

AIを日本経済の血肉に、スタートアップ支援を変える一手

ライトアップは「日本をAIで再成長させる」という壮大なビジョンを掲げ、AIスタートアップ支援を通じて全国の中小企業のAI導入を推進している。今後はAIエージェントによる商談自動化、営業支援AIの提供、資本連携スキームの拡充なども見据えており、単なるマッチングにとどまらず、その後の事業の成長までを継続的に支える仕組みづくりを計画中だ。

今回の「WASP」の始動は、その実現に向けた極めて戦略的な一手であり、日本のAI業界とスタートアップを取り巻く環境全体に大きな意味をもたらすだろう。ライトアップが長年かけて築き上げてきた企業ネットワークというインフラを開放することで、AI技術を本当に必要とする中小企業へ届けるための「最後の距離」を一気に縮める可能性を秘めている。これは、AIが一部のテック企業のものではなく、日本経済の隅々にまで浸透し、社会全体の生産性を底上げするための起爆剤となり得る。

そして、このプラットフォームが持つ本質的な価値は、日本のスタートアップ支援のあり方を「資金」から「事業」へと転換させる点にあるのではないだろうか。[f]創業初期の企業が渇望する「最初の顧客」と「成功実績」を正面から支援することで、スタートアップが自走できる力を育む。この事業成長に直結した支援モデルの提示は、日本のスタートアップエコシステムのあり方に一石を投じるだろう。