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2025.06.25

AIを使ってみたいけど不安な人へ!メールの文章校正から始める最初の一歩

<こんなお困りごとをAIが解決!>

●メールの誤字脱字が多く、相手に悪印象を与えていないか不安
文章の長さや構成に自信がなく、何度も書き直して時間がかかる
「伝わる文章」と「伝わらない文章」の違いがよく分からない
●「です・ます調」と「である調」の混在など、文体の統一ができていない

ビジネスパーソンの多くが、日々の業務でのメール作成に悩みを抱えています。「急いでいるときに限って誤字を送ってしまう」「文章が長すぎるせいで、要点が伝わっていない」といった経験はありませんか?

本記事では、AIを全く使ったことがない方でもできる、ChatGPTを活用したメールの文章校正の具体的な方法をご紹介します。AI活用を身につける第一歩として、最も身近なテキストコミュニケーションから改善していきましょう。

ビジネスメールの「見えない問題点」が引き起こすリスク

まずは、ビジネスメールにおける典型的な問題点を見てみましょう。

1.誤字脱字による信頼の低下:単純なミスでも、相手に「注意力が足りない」という印象を与えかねません。

2.冗長な文章構成:要点が分かりにくく、読み手の時間を奪い、重要な情報が埋もれてしまいます。

3.曖昧な表現:「できるだけ早く」「なるべく」といった言葉は、期限の解釈にばらつきを生じさせます。

4.文体の不統一:「です・ます調」と「である調」が混在するなど、プロフェッショナルさに欠ける印象を与えます。

これらの問題は、以下のようなビジネス上のリスクにつながります。

●取引先との関係悪化(誤解や不信感を生む)

業務効率の低下(説明の追加や修正のやり取りが増える)

重要な判断の遅延(意図が伝わらず決裁が遅れる)

●社内での評価低下(「コミュニケーション能力が低い」と判断される)

特に入社1〜3年目の若手社員は、このような問題に気づかないまま同じミスを繰り返し、知らず知らずのうちに自身の評価を下げてしまっているケースも少なくありません。

ChatGPTによる文章校正の基本ステップ

ここからは、ChatGPTを活用した文章校正の具体的な方法を紹介します。AIを初めて使う方でも安心して取り組める、非常にシンプルなステップです。

Step 1:文章校正のためのプロンプトを入力

校正してほしいメール文と、どのような点を修正してほしいかをChatGPTに伝えます。以下のようなプロンプトを入力してみましょう。

<プロンプト>

以下のビジネスメールを校正してください。

・誤字脱字のチェック

・文章の簡潔化

・曖昧な表現の明確化

・文体の統一(です・ます調に統一)

・ビジネス文書として適切な敬語表現

【メール原文】

田中様

お世話になっております。A社の佐藤です。

先日は弊社製品についてご検討頂きまして、誠にありがとうございました。

ご質問いただいた件について、できるだけ早く回答させていただきたいと思います。

納期についてですが、ご注文から概ね7日程度でお届け可能である。但し、カスタマイズをご希望される場合は、別途2週間ほど頂戴する場合もございます。

詳細な仕様等につきましては、添付資料をご確認くださいませ。

何卒よろしくお願いいたします。

佐藤

Step 2:ChatGPTの提案を確認・適用する

ChatGPTは入力された文章を分析し、改善点を指摘した上で修正案を提示してくれます。以下は、実際の出力例です。

<出力結果>

ChatGPTの提案を見て、自分のメールに適用する内容を選びます。すべての提案を採用する必要はなく、自分のスタイルや社内ルールに合わせて取捨選択しましょう

応用編:より高度なメール校正テクニック

基本的な校正に慣れてきたら、さらに一歩進んだ活用方法にチャレンジしてみましょう。

テクニック1:文章の目的や相手に合わせた最適化

メールの目的や相手によって、適切な文体や表現は変わります。以下のようなプロンプトで、より状況に合わせた校正が可能です。

<プロンプト>

以下のメールを、「初めて取引するお客様への提案メール」向けに校正してください。

・簡潔で分かりやすい表現に

・信頼感を醸成する丁寧な表現に

・具体的な数値や事実を強調

・結論から先に伝える構成に

・次のアクションを明確に

【メール原文】

[校正したいメール本文を貼り付け]

テクニック2:社内テンプレートの作成

よく送るパターンのメールは、テンプレート化しておくと効率的です。ChatGPTに複数のパターンを作成してもらい、状況に応じて使い分けましょう。

<プロンプト>

以下のシチュエーションにおけるビジネスメールのテンプレートを3パターン作成してください。それぞれ、語調の強さが異なるバージョンで作成してください。

シチュエーション:納期遅延の連絡

重要ポイント:

・遅延の理由(部品調達の遅れ)

・新しい納期(1週間後)

・お詫びの気持ち

・代替案の提示(一部先行納品の可能性)

テクニック3:文化的背景を考慮した国際ビジネスメール

海外の取引先とやり取りする場合、文化的な違いを考慮したメール作成が重要です。ChatGPTに文化的背景を伝えることで、より適切な表現を提案してもらえます。

<プロンプト>

以下の日本語のメールを英語に翻訳し、アメリカの取引先向けに文化的な調整を行ってください。

・直接的で簡潔な表現に(日本語特有の遠回しな表現を避ける)

・結論から先に伝える

・日本特有の季節の挨拶は省略か、相当する表現に置き換え

・敬語表現は適度な丁寧さに調整

【メール原文】

[調整したいメール本文を貼り付け]

AIとの協働の第一歩として

ChatGPTを活用したメール校正は、AIを業務に取り入れる最初のステップとして最適です。その理由は以下の3点です。

1.リスクが低い:校正結果は必ず人間が確認するため、AIの誤りによる重大な問題が生じにくい

2.即効性がある:導入当日から効果を実感できる

3.学習効果が高い:AIとのやり取りを通じて、自身のライティングスキルも向上する

AIの活用に不安を感じている方は、ぜひメールの校正から始めてみてください。文章の質の向上だけでなく、「AIとどう付き合うか」を学ぶ貴重な経験にもなるでしょう。

最初は単純な校正から始め、徐々に応用的な使い方へとステップアップしていくことで、無理なくAIを自分の仕事の味方にすることができます。このプロセスを通じて重要なのは、AIとの適切な役割分担です。AIは完璧ではなく、あくまでも「知的なアシスタント」という立場。最終的な判断や責任は人間にあることを忘れずに、上手に活用していきましょう。